今の小学生はHBの鉛筆を使っていない




今の小学生はHBじゃなくて2Bを主流に字を書いている

3年ほど前の話ではあるが、ふと思い出したので記事にしようと思いました。

 

当時私は文房具店で働いていたのですが、某有名文具メーカーから営業に来ていた男性が店長と話していて、その内容を急に私に振られました。

店長は

“ねぇ、あなたが小学生のころ鉛筆の濃度はどれを使ってたの?”

私は少し考えて

“HBとかですかね。”

 

それを聞いた店長が周りの学生スタッフにも同じ質問をしていました。

皆HBと答えていたのです。

 

これらの質問を受けたスタッフの年齢層は10代後半~20代前半でした。

 

店長(50代)の子供時代もHBが主流だったらしく

“だよね、よかった。”

と納得していました。

 

どうやらこの質問をした理由は、今の小学生つまり平成後期に生まれて小学生になっている児童たちは鉛筆の濃度がHBではなくB・2B・3Bの間になっているから衝撃を受けて店長は今の若い子の小学校時代はどうだったのか興味を示したそうです。

 

私も心当たりがあって、実際レジをしている時に何が売れているか思い返してみると鉛筆でよく売れていたのは2Bでした。

そしてHBを主流に使っていた世代からは当時3Bなんて濃度の鉛筆はほとんど売れなかったが、今では3Bの売り上げも伸びている。

私が勤めていた文具店では今の小学生がHBからB・2Bが主流になってきていることを証明するかのように売り上げが一番多かった鉛筆はBと2Bのダースケース。

もちろん単本でも。

 

文具メーカーでもこの鉛筆の濃度による売り上げの差が大きく出ておりどのメーカーの鉛筆でもHBはあまり売れなくなっていると営業の人が話していました。


小学生が使う鉛筆の濃度がHBから2Bになったのは筆圧が弱いから

某大手文具メーカーの営業の人はこうも話されていました。

“鉛筆の濃度がここ最近上がったのは今の小学生の筆圧が弱くなったから字を書いても薄くて見えなくなった。

だから必然的に濃い濃度の鉛筆が売れるようになったが、それでもヒョロヒョロの力なの無い字を書くので薄い文字になっている。”

 

2Bで書いたらかなり濃い色になるし、鉛筆の芯も柔らかいので少しの力でもすぐ紙に乗るのに、そんなに言うほどひどいのかというのが当時の私が感じた衝撃でした。

 

何故筆圧が弱くなったのか

項目を作ってまで書くほど推測することでもないかもしれないが、スマホやゲームなどの指からの少しの力で操作できる遊びや生活ツールが流行ってしまっているからとしか言いようがないと思います。

 

また今の自宅学習法でも鉛筆で書くよりもタブレットに専用のペンで文字のなぞり練習や、問題の回答を書いたりなど液晶に書き込む方法で学習する児童も多い。

液晶画面に書くって筆圧が必要ありませんし、弱い力でないと画面が壊れてしまうのではないかという配慮もあります。

 

つまり筆圧を考えるツールを使わなくなってきてしまっている学習教材が増えてきているのも原因の一つと思います。

 

そして多くの小学校ではシャープペンシルを含む鉛筆以外の書くための筆記用具を禁止しているところがほとんどでしょう。

小学生は字を書く時間はほとんど学校で費やすることになるのに、いくら私生活でゲームやスマホ・タブレットに触れるからと言ってそんなに筆圧が弱くなるのかとも考えましたが現実がそうなのだから言いようがありません。

 

筆圧が弱いのはそれがいらない時代になってきている

少し腹が立った話なのですが、その文具メーカーの営業さんは小学生の筆圧が低下していることについてかなり馬鹿にしておりました。

 

“僕たちが年取って老人になった時彼ら(今の小学生たち)が僕たちを支えるわけでしょう。

無力にしか感じないし不安でしかない。”

 

大人が子供を馬鹿にしているこの言葉には当時腹が立ったのですがその言葉を聞けたおかげで考えるきっかけにもなりました。

 

私個人が思う見解ですが、時代によって衰退する物ってその時代にあったものに適応した結果必要が無くなったとも捉えることができると思うんです。

つまり今の小学生が、彫刻家とか鉛筆画家のような筆圧や手の力を必要とする仕事に就かないならば筆圧って弱くても良くなってくるんじゃないかなと。

筆圧が無くなっては字も絵も描けなくなるのでだめですが、その代わり別の能力(IT系)が向上しています。

 

これからの時代パソコンやスマホなどの指で簡単に操作できる機械を使っての生活や仕事が主流になってくる。

むしろもうなっているといってもいいでしょう。

私個人としてはアナログの方が好きなのですが。

 

伝票を書くにもそれ専用の機械や、中には店が提供している注文発注用のスマホ、郵便局では住所のデータをスマホのアプリから転送して印刷できる機能がここ最近出てきたり、手紙やはがきを使って遠くの人とやり取りしていた時代もスマホアプリによるLINEでリアルタイムで行えるようになった。

字を書く機会が昔に比べて格段に減ってきているのは大体の世代に言えることのように思います。

 

もしかしたら私たちも気づかないうちに筆圧が落ちている可能性もあります。

各いう私も10年間絵を描いてきて鉛筆や筆を持っていたのにもかかわらず、ここ5年ほどはPCやスマホ操作ばかり。

絵を描くにもデジタル画になってしまいました。

専用ペンタブで描くので必要以上に筆圧いらないのです。

最初ペンタブを使い始めたときは違和感を感じたのを覚えていますが、これは筆圧を制御していたからだったのかなと今更ながら思います。

 

そのおかげで力を込めて描くことが減ったせいか筆圧が強いことで起こる指や肩の疲れは少し軽減されているように思う。

その変わりPCを見つめることで起こる目や首が酷いですが…。

 

そんな私が久しぶりに鉛筆で字を書いたら筆圧は変わっていないようでしたが、ただずっと鉛筆やシャーペンを持って字を書くのが苦痛でした。

 

このデジタル化現象に子供たちは順応しそれに適した能力で使いこなしている。

筆圧が弱くなった代わりに幼少からITのツールに触れている小学生はそれらの使い方には抵抗感もなく長けているんではないかと私は思います。



個人的な鉛筆に対する使い方の想い

私自身鉛筆で文字を書くのは好きだし、製図や絵も描いてきました。

鉛筆自体大好きでいろんな濃度のものを100本以上所持しているので個人的には小学生には濃い鉛筆を使う理由が筆圧が弱くなったから、その力でも字が見える濃度の鉛筆で書くのではなくて、それぞれの鉛筆の濃度が持っている役割を使いこなして欲しいと思う。

 

2Bはただ濃いだけではなく芯が柔らかいのと粒子がやや粗い。

なので筆圧を弱めれば柔らかい文字を書くことができるし力強く書けば太い字になり迫力が出ます。

 

HBの芯の色は強く書いても黒よりもよりグレーに近く、また硬くて粒子が細かめです。

冷たい硬い印象を感じる字が書けるし、芯が固い分精密な文字も潰れることなく強い力で書いても均一な太さを保って書くことができます。

 

筆も文字を書くための道具ではあるが、鉛筆はより文字を書くことに身近な道具。

特に漢字によく使われるはねやはらいなどの動きのある終点を確実に書ききる楽しさや、芯がすり減って字の太さが変わりながら書けるのは鉛筆ならでは。

シャーペンではまだまだ実現できていません。

 

その濃度による文字が与える印象を感じ取れれば他の濃度はどうなんだろうなんて興味をもって試して欲しいし書き心地の違いを楽しんで欲しいと思う。

今では10Hから10Bまでの濃度の鉛筆が販売されている。

幅広く使いこなして欲しいとまでは思いませんが、H~2Bくらいまでは芯が持っている能力に合った使い方をして欲しいと思います。